1967年(昭和四二年)

私とどん底/福田淳一 -Junichi Fukuda-

新宿駅が中央口が木造で西口正面はビルが一つも無い頃オープンして五〇年、どん底さん本当にお目出度うございます。

私が初めて店に行ったのは、友人のおじさんに「ハラがへったろう、旨いものを食べさせてあげる」とつれていって貰った、昭和三二年高校生の時でした。
その頃はまだ洋食はポピュラーでは無く、本当に料理がおいしかった事が思い出されます。そして何年かたったら入りビタリの生活に成ってしまいました。
又それはドンマス(矢野智さん)の個人的魅力、店の雰囲気、相チャン、トミサン及び従業員の接客態度、新旧客の家族的付合い、アットホームで居心地の良さにつきます。

ドンマスと言えば、美食家と海外旅行がすぐ思い出されます。あれは一九六〇年代飲み仲間のトオルチャン他でポナペへ行こうという事に成り、そこでドンマスが「それでは私が下見に行ってくる」と言って出発して何日かがすぎて帰国したら「あんな所行ってもしょうが無い」。そこで何だろうと聞いたところ、夜中ゴソゴソ音がするのでじっとしていたら天井から大きなトカゲが落ちてきたとの事でその旅行はキャンセルに成りました。その後何年かしてそのメンバーで台湾に行きましたが、初めて行った所のハズなのに、ヒスイ細工の店とか、土産店でない専門店をどこからかさがしてしまうはやはり海外なれしていると感心しました。
又スペイン店ですが、最初は海外に店を持ちたい然も「絶対にローマ」と言い続けて、良い物件も見つかったらしいのですが諸事情でダメに成り、何回かスペインに行っている内に「マドリッドに決定したよ」と言われました。その頃のスペインはまだフランコ政権で正常も悪く大変心配しましたが、現在は大盛況との事でお目出度うございます。

最後に前回の四〇周年記念で何年かブリで昔の仲間と会いそれが縁で田中チャン他又一緒に飲む様に成りましたがそこでこの五〇周年記念でも旧友に会える事を期待しています。
今日本は経済事情はどん底ですが、私はこの居酒屋どん底にこれからも居つづけます。
皆さん今後共ヨロシクお願いします。

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高橋一平 -Ippei Takahashi-

走れトロイカ・カチューシャを聞きながら、目をギラギラさせて、若いイブキを体一杯に受けとめて、夢を追い続けた青春がどん底にはあふれていた。
出世払いで一年半ものませてくれた相ちゃん池ちゃん、心からありがとう。
いくつになっても夢一ぱいの日々を生き続けると、人はいくらでも若くいられるものです。
いつでも夢を。
有我当う、お目でとう。五〇周年。

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尾藤イサオ -Isao Bito-

どん底五〇周年おめでとう。
三〇年以上の付合いだなー。
結婚前、カミさんとデートしたのもどん底。
変わらない相ちゃんの笑顔、あおのハスキーな声。
いつも誰か仲間がいるどん底。
お互い年だから(若いつもりでいるけど)体に気を付けて頑張ろうや。
とりあえずおめでとう。カンパイ!!

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