どんファンによる『どん底』五〇年の歩み

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●店名『どん底』の由来

『どん底』店内写真 矢野が舞台芸術学院の一期生に在学時に、小山内薫追悼新劇合同公演が丸ノ内の帝国劇場(旧建物)で催された時、群衆の一人、馬車屋の役で出演し、その頃、生活の為、酒場を開く準備をしていて、学長の秋田雨雀先生に何かいい店名がないかと相談したところ、「遊」び半分で商売をやれるものではないから、多分俳優の仕事が続くかどうか心配だ。『どん底』の舞台が最後の舞台になるかもしれないから『どん底』にしたらどうだ。最低から出発だからいゝ名前だと思うよ」ということでこの名前に決まりました。

<追記>
店をやりながら、一度だけ、北健二さんの「演技座」で故・三国一朗氏の最後の『厨房』で主役を演じましたが、私の俳優としての仕事もこれが最後となりました。

(矢野 智)